阿刀田高
<ノンシリーズ> |
Aサイズ殺人事件 (創元推理文庫) |
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Aサイズ殺人事件 |
ストーリィ
捜査一課の佐村英介が捜査に行き詰まると行くのはお寺。妙法寺の和尚と碁を打ちながら、事件の話をぽろぽろこぼせば、進むべき道を示してくれるのです。
「Aサイズ殺人事件」:ホテル裏の貯水池で見付かった女性の絞殺死体 「2DK蟻地獄付き」:新婚旅行から帰ってきたら見知らぬ男の死体が… 「靴と媚薬と三人の女」:背広姿で毒殺された男 「二重人格の死」:仮装パーティ中にネクタイで首をつった男 「裸足で天国へ」:飛び降り自殺の靴がそろっていなかった 「古物の好きな死体」:火薬で頭をぶち抜かれた男 「葉桜の迷路」:皇室に関係した家で事件が起きる、と警察に手紙が届く 「ハーフ・ムーン殺人事件」:嫌われ者の教師がピストルで撃たれ死亡 |
感想
和尚が探偵役の安楽椅子ものです。碁を打ちながら事件の話をする刑事。その話に夢中になり、思考が働き始めると、碁の方も冴え出す和尚。碁の形勢と、推理が同じ流れで進む、こう云うところがポイントです。非常に短い作品が多く、テンポを重視したと思われます。佐村が容疑者を極限まで絞り込み、それが前提となって推理が進みます。話を聞いた和尚が佐村に幾つか捜査の依頼をするのですが、それが非常に突飛。少々強引ですが、面白いのも事実です。ただ、この作品、「赤毛連盟」(コナン・ドイル著)のネタバレが無意味にあります。仮に理由があろうとも、作品中で他作品のネタを割るのは勘弁して欲しいです。
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