大道珠貴
<ノンシリーズ> |
しょっぱいドライブ (文春文庫) |
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しょっぱいドライブ |
ストーリィ
第128回芥川賞受賞作の表題作を含む短編集。
「しょっぱいドライブ」:老人の九十九さんとわたしの不思議な恋の物語 「富士額」:お相撲さんと一緒に過ごしたファンタジックな日々 「タンポポと流星」:腐れ縁の毬子から逃れるかの如く東京へ出てきたが… |
感想
不思議な人たちでいっぱいです。「しょっぱいドライブ」は九十九さんも変わっているし、私も変わっている。でも、世界も不思議な雰囲気なので、妙に調和していて、そんな人たちが当たり前に感じるのです。その受賞作よりも遙かに魅力的に思えたのが「タンポポと流星」。毬子って、ホントに鬱陶しい存在。嫌味でお節介で傲慢で図々しくて、んも〜出てくんな! って感じなのですが、縁を切れない主人公にもイライラ。でも待って。ホントに居なければ良い人なの? 居たらホントに鬱陶しい、でも居なければ心に隙間ができてしまった様な空虚さが残る。そんな微妙な関係と、濃い人間の表現が興味深い作品です。
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