藤野千代


<ノンシリーズ>
ルート225 (新潮文庫)

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ルート225
ストーリィ
夕方になっても帰宅しない中学1年生のダイゴ。母に言われて探しに出た中学2年生のエリ子は、家から離れた公園で弟を見付ける。どうやらイジメにあった様子だが、とにかく帰宅しようと家へ。ところが、どこをどう間違ったのか、家に帰り着くととが出来ない。混乱する二人は一旦公園へ戻り、再び家へと向かう。今度は辿り着くことができた我が家。しかし家には誰もいない。普段と微妙に異なるパラレルワールドへと入り込んでいた。
感想
作品の雰囲気、世界がとても若い印象。それは姉・エリ子の口調や、思考によるもの。今時の中学生を巧く描いていると思います。異常な世界に迷い込んでしまった二人。しかし、ゲームのRPGの世界を体験しているかの様で、悲壮感を漂わせている訳ではありません。二つの世界を繋ぐのは、たった一つのテレフォンカード、残り度数はたったの5。パラレルワールドに関しては若干消化不良ですが、テレフォンカードが良い味を出していたので満足です。
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