畠中恵
<ノンシリーズ> |
百万の手 (創元推理文庫) |
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百万の手 |
ストーリィ
過呼吸の発作を持つ音村夏貴は、親友の正哉を火事で失ってしまった。不審火の中へ、両親を助けるため飛び込んでいった正哉。もう会うこともかなわないたった一人の友。ところが、形見となった正哉の携帯電話かっら聞こえてきたのは、まぎれもない、あの正哉の声だった。火事の真相を探りはじめた夏喜と正哉。ところが、事件は夏喜の生い立ちに大きく関わりを見せていった。
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感想
死んでしまった人の声が聞こえる。もっとも有名な作品は赤川次郎氏の『ふたり』ではないでしょうか。本作も、その設定は同じですが、世界は全く異なります。読めば読むほど危険な雰囲気がじわじわと沸きだしてきます。その予感は見事に当たり、とっても嫌な展開が扉を開けました。しかし、それを重く引きずる感じではなく、前へ前へと進むストーリィで、好感が持てます。全体の構成や散りばめられたアクセント、なかなかのものだと思います。
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