藤原伊織
<ノンシリーズ> |
シリウスの道 (文春文庫) |
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シリウスの道 |
ストーリィ
子供のころ祐介,明子,勝哉の3人は親友だった。心の奥底で繋がっていた彼らは、ある秘密を共有し、やがて別れ離れになってしまう。大人となり、大手の広告代理店に勤める祐介は、仕事に忙殺されるだけでなく、人間関係でも問題を抱えていた。そんなおり、明子の夫となった人物と出会う機会が訪れる。明子夫婦の元には脅迫状が届いていた。
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感想
「やあ」。このたった一言で人を感動させられる力って何なのでしょう? 権力者との確執、上司である女性との仲、そして大きな案件の仕事。それだけでも一つの小説が成立しそうな気もします。そこに過去が関わってきます。過去が大きすぎると現在の陰が薄くなり、逆に過去が小さ過ぎても意味がありません。そのバランスが絶妙で、過去を持った人間が今に生きている様がしっかり描かれています。繋がっていた3人の心はどうなったのか、そして現在の人生は。読み応え十分です。
お気に入りの一文
かんたんなもんをかんたんと思うたらあかん
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