伊坂幸太郎
<ノンシリーズ> |
陽気なギャングが地球を回す (祥伝社文庫) アヒルと鴨のコインロッカー (創元推理文庫) |
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陽気なギャングが地球を回す |
ストーリィ
嘘を見抜いてしまう成瀬、演説が得意の響野、天才的なスリの久遠、精密な体内時計を持つ雪子。4人のギャングは今、銀行強盗を実行する。計画は完璧。それぞれの特技を活かしつつ、4000万円のお金を奪うことに成功した。…筈だったのに、逃走途中に別の銀行強盗と交通事故。あげく、車とお金を丸ごと奪われ、目も当てられない。今に見ていろ。
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感想
銀行強盗は当然犯罪です。でも、全然悪いことをしている様には感じません。銀行に押し入っている間、響野の演説がありますが、これが面白い。私がその時銀行にお客として居たとしても、別に恐怖も感じず「勝手にやっちゃってよ」と思うかもしれません。ユーモアと真理をおりまぜた痛快な物語。些細なことも意味を持つ、無駄のない作品です。
お気に入りの一文
「敵を庇う者も敵だ」という理屈は大国の大統領が堂々と口にするくらいなのだから、中学生が同じことを考えるのはおかしくはないだろう。
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アヒルと鴨のコインロッカー |
ストーリィ
第25回吉川英治文学新人賞受賞作。「一緒に本屋を襲わないか?」「え?」 僕が引っ越してきたアパートの隣人は、何故か僕を本屋強盗の相棒にしたいらしい。何を盗むのかって? それが広辞苑なんだとさ。なんでそんなものをわざわざ…。
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感想
さすが、という印象です。物語を如何にすれば面白くなるかを知っている書き手ですね。いきなり巻き込まれた唐突性で読者を引き込んでおき、登場する人物は特徴的で魅力があるため離れられず、最後に「どうだ!」と云ってみせるミステリィ。さすが、です。
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