笠井潔
<矢吹駆シリーズ> |
バイバイ、エンジェル (創元推理文庫) |
<ノンシリーズ> |
サイキック戦争 (講談社文庫) |
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バイバイ、エンジェル |
ストーリィ
仲の悪い二人の姉妹。莫大な資産を持つその姉が、首無し死体となって発見された。しかも現場には、幾つかの奇妙な謎が残されていた。なかなか進まぬ警察の捜査。やがて第二の殺人事件が。寡黙な日本人・矢吹駆がその全貌を明らかにします。
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感想
2つの大きな魅力があります。1つは、時として難解な駆の発言。中でも、探偵が数多ある可能性の中から真実を導き出す理由、はとてもとても興味深いものです。探偵小説を読む人ならば、誰しも1度は疑問に感じたことがあるのでは。その答えがここにあります。もう1つは、謎と、その意味です。何故首切り死体なのか。その他にも残された謎、何故なのか。それを説得力とセットにして明らかにしてくれます。全ての謎が、逆に真実を論証する糧へと変わる、その瞬間が最高です。
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サイキック戦争 |
ストーリィ
竜王家の女は、同族か<古牟礼民>以外の夫を持ってはならない。さもなくば、夫を狂わせる。竜王翔は姉が襲われた夢を見た。雪山での影なる生活を捨て、姉の元へ。しかし姉は姿を消していた。夫のいる戦火のベトナムへ。
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感想
『ヴァンパイーヤ戦争』と微妙にリンクしている様に思いますが、世界は結構違います。こちらの方が、「何でもあり」という印象が薄く、ドキドキ感が高い。ストーリィ全体も短いので、すっきりと終わる感じ。ただ、人の命、人の心が軽いですね。SF作品だからなおさらでしょうか。勢いと相反する面もあるでしょうが、私の好みとは距離があります。
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