木々高太郎


<ノンシリーズ>
人生の阿呆 (創元推理文庫)

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人生の阿呆
ストーリィ
第4回直木賞受賞作。大手製菓外車を営む比良良三の長男、良吉。祖母に甘やかされて育った彼は、多くの問題を起こしつつ成長します。今も問題を起こしたと思われ、海外へ遣られることに。シベリアを鉄道で旅する良吉。折しも、日本では毒物混入事件が発生。取り調べの最中に、比良家で殺人死体が発見される一大事。良吉は重要参考人となってしまいます。
感想
読者への挑戦状も付いた本格仕立てです。主人公の良吉はイロイロと問題を起こしているようですが、どちらかと云うと好感の持てる人物。背後には結構どろどろした物が蠢いていたようですが、彼は純粋で、それを真っ正面から受け止め、且つ達観している雰囲気です。シベリアを行く良吉と、日本で進む捜査。そのバランスが良い作品と感じました。
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