霧舎巧
<《あかずの扉》研究会シリーズ> |
カレイドスコープ島 (講談社文庫) |
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カレイドスコープ島 |
ストーリィ
《あかずの扉》研究会シリーズ第2弾。冷静且つ着実に推理を進める後動さん、錠前のことなら何でもお任せジョーマエさん、不思議な能力のある咲さん、快活なユイ、そして書記のカケル。今回はユイの友人とともに竹取島へ行くことに。古い習慣が残る島へ乗り込んだ面々。連続殺人、種々のアイテムとキーワード。竹取島の隣にある月島との間を行き来しつつ、後動さんの推理は核心へと向かいます。
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感想
本格の雰囲気をここまで色濃く出す作品は、なかなかありません。現代社会から離れ、独自の風習を持つ竹取島と月島。孤島と云う舞台。そこで発生する連続殺人。アイテム、キーワード、探偵役とワトソン役。もう、完璧です。ストーリィは最後になるに従って、、色々な事物が繋がり始めます。冒頭や中盤の何気ないシーンが、一気に連携を取りはじめ、一つの点へと収束して行くのです。作品を堅苦しくしないのが語り手のカケル。彼が思うこと、考えることには、しっかりと感情が籠もっています。単なるワトソン役ではありません。彼の存在,発言,行動が、この作品を単なる謎解きで終わらせないと云えるでしょう。
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