黒岩重吾


<ノンシリーズ>
背徳のメス (角川文庫)

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背徳のメス
ストーリィ
阿倍野病院に勤務する医師、植秀人。女にはだらしがないものの、医療に関しては真摯な態度。ある日病院に運び込まれた患者の治療を巡って、科長の西沢と対立することになります。昭和35年下半期、第44回直木賞受賞作品。
感想
医療現場を舞台にしたハードボイルドの古典的名作です。物価や戦争の思い出、貧困。それら時代背景は今と大きく異なります。が、それを綴る文章は、今と全く変わりません。まったく古びてはいません。寧ろ力強さすら感じるほど。不安定な植医師を絶妙なバランスで表現しているところが良いですね。
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