草野たき


<ノンシリーズ>
透きとおった糸をのばして (講談社文庫)

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透きとおった糸をのばして
ストーリィ
中学生になって以来の親友だった ちなみ との仲がギクシャクしてかれこれ4ヶ月。私・香緒(カオ)は、両親が外国へ行っていて、いとこで大学院生の知里と二人暮らし。憧れのお姉さん的存在の知里との日々だったが、知里の旧友だった るう子 が失恋を抱えてそこへ飛び込んでくる。修復できない親友との関係、どんどん問題が大きくなる るう子 の問題、何故か るう子 に冷たい態度の知里。香緒は己の問題と るう子 の問題を無意識に重ねることで、前へと進み始めた。
感想
講談社児童文学新人賞受賞作品。しかし児童文学と云う雰囲気はあまりありません。漢字も(難しい物はありませんが)比較的多く使われていて、大人が読んでも違和感は全く感じないはずです。三人が抱える問題は恋と人間関係。子供だろうが、大人だろうが、老人だってこの二つの問題は大きなもの。るう子は、はじめとても鬱陶しく、読んでいてもイライラしてきますが、その存在の意味と大きさを感じた時、この作品が姿を変えた様な気がしました。
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