共著・合作


<Killer Xシリーズ>
Killer X (黒田研二+二階堂黎人) (光文社文庫)
千年岳の殺人鬼 (黒田研二+二階堂黎人) (光文社文庫)

<ノンシリーズ>
白銀荘の殺人鬼 (愛川晶+二階堂黎人) (光文社文庫)

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白銀荘の殺人鬼 (愛川晶+二階堂黎人)
ストーリィ
幼い頃に虐待された為、多重人格となってしまった立脇順一。しかし多重人格者であることを彼は知らない。内に潜む人格により、順一は抹殺されようとしていた。スキー場のペンション白銀荘で凄惨な事件が起きる。
感想
彩胡ジュンの名で発表された愛川晶と二階堂黎人の合作。サイコをもじった名前…ってことですよね。ジュンは何でしょうか? 多重人格を持ち出したこの作品、その扱いは絶妙です。主人公は面の人格、立脇順一ではなく、裏の人格、美奈子。この設定が巧く、かつそれを効果的に演出する美奈子の行動。作品の前半はそれだけで十分すぎる程楽しめます。が、後半になり、事件が進み始めると…あれあれ? その面白かった部分がちょっと等閑な感じ。もっとスポットが当たって然るべきと思われた人物も、特に何のイヴェントもなし。トリックを重視しすぎたせいで、作品としておかしくなってしまった…そんな気が少します。残念。
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Killer X (黒田研二+二階堂黎人)
ストーリィ
同窓会があるらしい。手紙で呼び出された6人の男女は、豪雪の中を恩師の家までやって来た。しかし違和感を感じる。何かが変だ。恩師は前の同窓会で事故に遭い、普通の生活を送ることができない状態に。それを知っていた者、知らなかった者。しかも恩師は彼らを呼び寄せていないとのこと。一体誰が、一体何のために。やがて魔の手が彼らに忍び寄る。
感想
黒田研二と二階堂黎人の合作。とにかく本格に拘った作品です。一カ所に、しかも雪で孤立した部隊に集められる面々。しかも電波が悪く、携帯電話も使えない。ほら、これだけでも本家訓雰囲気が溢れてます。特に、プロローグが上手く効いていると思います。ただ、トリックはもう少し伏線が欲しかったと思うのですが、これは好みもあるでしょう。物語としては、後半がイマイチ。トリック重視に走りすぎたのか、もしくは、前半後半で作者が変わっているのか。どの様に文筆したのか分かりませんが、前半は物語や展開が楽しく、後半はトリックや事件ばかりでちょっとな、と云う印象が残りました。
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千年岳の殺人鬼 (黒田研二+二階堂黎人)
ストーリィ
スキー場を訪れた日本語教師と生徒の外国人たち。遠路はるばる、日本を訪れた彼らだが、ワームホールの魅力にとりつかれたメンバによって、危険な道へと導かれる。ワームホール。そこを訪れた者は、時として時空歪みに飲み込まれてしまうという。彼らも…。
感想
黒田研二と二階堂黎人の合作。前作に引き続き、Killer Xが登場します。雪で孤立したメンバ。次々と起こる事件。巷では"Killer X"と呼ばれる者による凄惨な殺人事件が。ホラー要素が強い作品ではありますが、トリックもかなり重視しているようで、本格ミステリィと云って差し支えないなと思います。危機感や狂気が読み手に良く伝わるため、勢いのあるストーリィでした。
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