武者小路実篤


<ノンシリーズ>
お目出たき人 (新潮文庫)

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お目出たき人
ストーリィ
理想の女性を見付けた「自分」。うら若きその女性に想いを寄せ、知人を介して求婚。断られても、ご都合主義な解釈を己の中で構築し、新たな戦略を。純粋すぎる主人公の女性への想い、美化を描いた作品。
感想
一言で言えばストーカ寸前。しかし、主人公は本当に純粋です。解釈が都合良すぎるのですが、それは仕方がない。これって、本来の人間(動物)のあるべき姿ではないでしょうか。主人公に対して好感が持てるのは、彼が自分自身のことを良く分かっているから。分かりすぎるほど分かっていて、結果も心の何処かで予測している。そんな彼が一生懸命想いを寄せる。その姿は時として笑えるものでもありますが、応援してあげたくもなるのです。
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