永井荷風


<ノンシリーズ>
ボク東奇譚 (新潮文庫)

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ボク東奇譚
ストーリィ
ボク東とは隅田川の東の意。作家の大江匡は「失踪」の執筆に取り掛かります。調査を目的に、また隣家のラディオから逃れるため、大江は娼婦街へ。そこで知り合ったお雪と時を共にします。
感想
冒頭、いきなり警官に職質される主人公。己の身分を特に明かすこともなく。作品に大きな役割を果たしているのは、お雪の存在であり、そのキャラクタ。芸者から娼婦へ身を投じた女性の、どこか擦れていない魅力と安心感。吉原の公娼街ではなく、玉の井の私娼街を描くには彼女の様な人物が必須でしょう。
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