荻原浩


<ノンシリーズ>
僕たちの戦争 (双葉文庫)

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僕たちの戦争
ストーリィ
現代:根性なしのフリータ・尾島健太。先日バイト先でもめ事を起こし、をクビになったばかり。恋人のミナミにも小言を言われ、一人サーフィンをするため海へ。戦中:予科練の石庭吾一。飛行訓練中に墜落し、意識を失う。 外見の似た二人の青年はこの瞬間、時を超えて入れ替わる。
感想
単なる戦争の物語ではありません。単なるタイムスリップのお話でもありません。二人の青年が、それぞれの時代にどっぷり浸かってしまっている二人が入れ替わります。戦争に対して一途に洗脳された吾一。ふらふら毎日を過ごす健太。両極端な世界に放り込まれた二人の、混乱した様、しかし自分の芯のスタイルを変えない様はおもしろい(楽しい)作品としての役を担います。一方、何故二人は時を超え、戦争・戦後を体験するのか。それは切なさを表します。二人の世界が上手くリンクして一つになった素晴らしい作品です。
お気に入りの一言
正しい戦争なんて、どこにもない。戦士に尊いも賤しいもない。責任者、出てこい!
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