大平健
<ノンシリーズ> |
診療室にきた赤ずきん (新潮文庫) |
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診療室にきた赤ずきん |
ストーリィ
精神科医の著者が出会った多くの患者との触れ合い。治療のために用いる多くの童話。童話を真剣に考え、そこから学び得ること、知り得ることを、患者に分かりやすく伝え、患者はそれに依って自分自身に気付くのです。出てくるお話は、「ねむりひめ」「三ねんねたろう」「幸運なハンス」「食わず女房」「ぐるんぱのようちえん」「ももたろう」「赤ずきん」「うらしまたろう」「三びきのこぶた」「いっすんぼうし」「つる女房」「ジャックと豆の木」です。
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感想
童話とは子供の読む物。しかし近年、その傾向は変わりつつある様です。著者は精神科医として、治療に用いるために童話を読んだ訳ではないのでしょう。ただ、好きだから。だからしっかり考えた。「何故」だろう、と。「そんなものだ」と結論づけてしまえば、そこで終わり。お話なのに、真剣に、真っ正面から考えています。だから治療にも使える。そして、誰しもが懐かしいと感じる童話だからこそ、患者も何かに気付いたり、何かを思い出したりするのでしょう。
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