大倉 崇裕
<ノンシリーズ> |
三人目の幽霊 (創元推理文庫) |
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三人目の幽霊 |
ストーリィ
落語専門誌の編集長・牧大路と女性編集者・間宮緑が探偵・助手を務める本格ミステリィの短編集。
「三人目の幽霊」:好敵手の落語家同士が仲良くなろうとしたのに… 「不機嫌なソムリエ」:一本の特別なワインの存在をソムリエは知る 「三鶯荘奇談」:幽霊が本当にいるならば…少年の想いは通じるのか? 「崩壊する喫茶店」:失明した祖母は惚けてしまったのだろうか 「患う時計」:テレビが入った場で時間を読み違えた落語家 |
感想
純粋なる本格ミステリィの短編集です。どの事件にも(当然)裏がありますが、その理由や必然性に、ちょっとずつ温かさを含ませた作品です。「三人目の幽霊」が一番最初に収録されているのは必然で、この作品の世界を読者にしっかり伝えつつ、雰囲気的にも、ミステリィとしてもナカナカです。「不機嫌なソムリエ」は白眉。ミステリィとしてよりも、読みものとしての面白さ、拘りが感じられます。「崩壊する喫茶店」は読者を引きつける魅力に満ちていて、バランスも良い作品です。
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