大阪圭吉
<ノンシリーズ> |
とむらい機関車 (創元推理文庫) 銀座幽霊 (創元推理文庫) |
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とむらい機関車 |
ストーリィ
戦前の本格推理小説,探偵小説の代表作家の短編集。随想も収録されています。
収録作品: 「とむらい機関車」,「デパートの絞刑吏」、「カンカン虫殺人事件」、「白鮫号の殺人事件」、「気狂い機関車」,「石塀幽霊」,「あやつり裁判」,「雪解」,「坑鬼」,随想10編 |
感想
現在ではあまり使われなくなった固有名詞「探偵小説」。それは作品の変遷が影響している様に感じられます。本作では青山喬介が登場する作品が幾つか収録されていますが、そこにあるのは純粋な「事件」と「推理」。無駄が一切ありません。探偵小説を雰囲気として、ひしひしと感じるのです。喬介の推理は、良くも悪くもホームズを彷彿とさせます。挿絵も興味深いところです。
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銀座幽霊 |
ストーリィ
ストレートな本格ミステリィ短編集です。
収録作品: 「三狂人」,「銀座幽霊」、「寒の夜晴れ」、「灯台鬼」、「動かぬ鯨群」,「花束の虫」,「闖入者」,「白妖」,「大百貨注文者」,「人間灯台」,「幽霊妻」 |
感想
探偵小説の最もオーソドックスな形だと思います。実にすストレートで、無駄がありません。事件があり、それを調べ、謎を解く。現代では寧ろ新鮮味すら感じさせるスタイルです。幼い頃に読んだ子供向けの推理小説を紹介する漫画は、基本的にこういうスタイルでした。ここに登場人物の感情描写などを付加していったのが、現代のミステリィと云うことだと思います。「三狂人」や「白妖」など、単純明快なトリックこそが面白い。それを気付かせてくれる一冊です。挿絵も雰囲気がとても良いです。
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