佐賀潜


<ノンシリーズ>
華やかな死体 (講談社文庫)

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華やかな死体
ストーリィ
第8回江戸川乱歩賞受賞作。社長殺害現場に飾られた曼珠沙華と白菊。有力な容疑者があがり、起訴が確定。舞台は裁判へと移ります。東京への転勤と結婚を同時に望む検事の城戸は調査を進め、やり手の弁護士と対決。己の行く末にも関わる裁判の結果は…。
感想
検事,弁護士、そのどちらも経験した作者ならではの作品です。検事という微妙な立場。有罪・極刑を望む正義の役職。従って敗訴は許されず、自らの汚点に。犯人であることは、最早疑う余地もない被告人。それを追いつめつつも、なかなか詰め切ることの出来ぬ苦悩。悪を許さぬ心だけではなく、己の人生にも関わることだから。事件そのものよりも、検事の心を描いた作品と感じました。
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