西東登
<ノンシリーズ> |
蟻の木の下で (講談社文庫) |
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蟻の木の下で |
ストーリィ
第10回江戸川乱歩賞受賞作。「熊が人を殺した?!」と云う、奇怪な始まり。雑誌記者の鹿子は、現場付近に落ちていたバッジから新興宗教団体にたどり着きます。事件と教団は関係があるのか。調査を続ける内、戦争と云う非日常性が生み出した悲劇が明らかとなっていきます。
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感想
とても不思議な事件の起こり。ところがその興味深い設定に頼りきった作品ではありません。宗教団体と雑誌記者、そして戦争。多くの人々が様々な要因で絡み合い、さらに繋がる戦時中の関係。一軒複雑な世界が、とてもしっかりと構築されています。また展開は変化に富み、比較的サスペンス的な要素が強いのも特徴。人物の魅力にメリハリがあるとより良かったかと思います。
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