坂元純


<ノンシリーズ>
ぼくのフェラーリ (講談社文庫)

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ぼくのフェラーリ
ストーリィ
第7回椋鳩十児童文学賞受賞作品。小学生の和也に届いた一台のフェラーリ。それは祖母の遺言によるものだった。祖父が死んだ1年半前のできごと、そして祖母との約束。和也が遭遇した大騒動と、祖母と通わせた心の物語。
感想
本作は児童文学です。「子供が読む様に」書かれた物ではなく、「子供でも読める様に」書かれた物のこと。無理に小難しい表現は使わず、漢字の使用も控えめに、でも「子供相手だから」などと云う妥協や省略は決してありません。だからこそ、「大人が読んでも面白い」作品です。複雑な祖父母との関係。初めて会う祖母。初めは凄く距離を感じていたけれど、徐々にその距離が近付いていき、やがては誰よりも心近い相手となっていく様が無理なく表現されています。
お気に入りの一文
もうだれにも会えずに死ぬかもしれないというときに、でももしだれかに会えるとしたら、それはおばあちゃん以外にはありえないようにしていたのだ。
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