佐々木譲


<ノンシリーズ>
ベルリン飛行指令 (新潮文庫)

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ベルリン飛行指令
ストーリィ
三国同盟が成立した日独伊。イギリス上陸作戦に行き詰まっていたドイツ総統ヒトラーは、航続距離に優れた日本の零式戦闘機をライセンス生産することを思いつく。2機の零戦を遠くベルリンに送ることが決まり、安藤・乾の両パイロットに白羽の矢が立てられた。
感想
何故、遠く離れた日本から戦闘機を運ばなければならないのか、しっかりと説明した上で、読者を戦中の世界へ誘う導入部は秀逸です。構成に優れた作品であり、かつ、戦闘機をこの時代に飛ばすという事に関し、詳細もしっかりしています。出来事が大きいため壮大なストーリィになっているのが、好みから少し離れたところ。パイロット安藤だけに絞って描写されていると、より作品に入り込め、輸送時の緊張感も増したのではないかと思います。
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