佐々木丸美


<館シリーズ>
崖の館 (創元推理文庫)
水に描かれた館 (創元推理文庫)

§ 感想へ戻る §


崖の館
ストーリィ
二年前に死んだ従姉妹の千波。おばさんが愛してやまなかった千波、研さんと結婚するはずだった千波。今も私たちは、おばさんの住む館に集まっている。崖の側に立つ、この館に。
感想
タイトルに含まれる「館」の字、限られた登場人物と空間。これで心躍らぬはずはない、と思ったのですが、何故か作品の世界に入り込めませんでした。過去の事件と現在、二つの時が重要な意味を持つ作品ですが、現在を読んでいるのに過去のできごとの様に感じてしまうのです。主人公の高校生・涼子への感情移入もどこか中途半端なまま読み切ってしまったのが残念。
↑リストへ   感想へ戻る



水に描かれた館
ストーリィ
館シリーズ第2弾。悲劇のおきた館に再び集まった私たち。多くの骨董品に溢れる館に、鑑定士たちも集まってきた。でも、何故か人数が合わない。一人多い…。招かれざる客は誰なのか、訝しがりながらも進む時。やがて一人の神秘的な少女が保護された。
感想
『崖の館』から続くシリーズの雰囲気をしっかりと踏襲しつつ、2作目としての個性も忘れていない作品です。『崖の館』を未読の方は、是非順番通りに読むことをお勧めします。ネタバレとは少し違うのですが、よりシリーズの雰囲気を味わうことができます。トリック自体は大きく、簡単には受け入れられないかも知れませんが、読者が受け入れやすい様に表現されていて、好感が持てます。
↑リストへ   感想へ戻る