新庄節美


<スカーレット・パラソルシリーズ>
はじまりは青い月 (創元推理文庫)
聖夜は黒いドレス (創元推理文庫)

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はじまりは青い月
ストーリィ
泥棒。と云っても、そんじょそこらのコソドロとは訳が違う。警察にも捕まらぬ悪党どもを懲らしめる義賊です。それが阿藤家の伝統。阿藤愛梨は祖母・紅蝙蝠の後継者と成る可く、仕事の手伝いをすることに。王家から盗まれた宝石を奪い返すのが目的です。ところが直前になって祖母にアクシデントが…。一方、往年の名探偵・武市大五郎には宝石を守護する依頼が。しかしこちらもアクシデントが発生し、孫の六平に代役を頼むことに。泥棒と名探偵の2代目対決が始まります。
感想
とても軽い設定で、別段変わった物ではありません。が、こう云うの、嫌いではありませんん。泥棒の2代目と探偵の2代目、この成り行きが面白いです。仕事をすることになった経緯、両者に訪れたアクシデント。そしてニアミス。それぞれの視線で綴られた世界、それぞれの心で描かれた色。最後まで楽しい雰囲気で、綺麗に纏められています。
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聖夜は黒いドレス
ストーリィ
スカーレットパラソルの第2弾。JTG(日本泥棒協会)からの誘いを受け、他の泥棒たちと競走することになった愛梨。六平をパートナに、パーティ会場へ潜り込みます。競争相手は何れ劣らぬ強者4人。内1人は祖母・紅蝙蝠の師匠にあたる人物。愛梨に勝機はあるのでしょうか。
感想
今回もするする読み進むことが出来ます。1作目で人間関係が分かっているため、些細な行動がとても面白い。特に年寄り二人の言動は、序盤の雰囲気を作り出す重要な要素です。前作に比べ、泥棒シーンが少々軽いかな、と思います。準備段階とか、実際に行動を起こすシーン、もう少し泥棒らしさがあっても良いでしょう。
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