新野剛志


<ノンシリーズ>
どしゃ降りでダンス (講談社文庫)

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どしゃ降りでダンス
ストーリィ
どこか冴えない、そして憎めない。そんなハードボイルドを描いた短編集。

 「オリジナル・ウェディング」:浮気調査の依頼人を殴った探偵
 「幸福なボブ」:ボブを救うことで己を見付けたい酔っぱらい
 「ちいちゃな男」:子供扱いされることが疎ましくなり始めた少年
 「公僕の鎖」:アパートに現れたニセモノの両親
 「ステップ」:離婚した妻の行方を追う男
感想
短編集なので中だるみが全然ありません。また、物足りなさも感じない。適度な長さに纏まった作品集という印象です。「オリジナル・ウェディング」はバランスのとても良い作品。最初から最後まで、変化に富んだ展開が良。「幸福なボブ」は行動も展開も意外性があります。「ちいちゃな男」は単純に面白い反面、大人の書いた子供の世界であることが難。「公僕の鎖」はやや受け入れ難い行動が多い気がします。「ステップ」は少し肩肘を張りすぎているかも。綺麗に纏め様とし過ぎた印象です。
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