白川道
<ノンシリーズ> |
天国への階段 (幻冬舎文庫) |
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天国への階段 |
ストーリィ
詐欺同然に牧場を奪われ、命もなくした父。そこへ追い打ちを掛けたのは恋人亜希子の裏切りでした。柏木圭一は一人東京へ出て、必至に財をなします。若き実業家としてマスコミにも取り上げられる様になった柏木。しかし彼の心にあったのは復讐と孤独。着々と水面下の計画を進める柏木ですが、一つの出逢いが彼の行動に変化をもたらします。
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感想
柏木圭一は決して「良い人」ではありません。どちらかと云えば「悪者」。しかし彼を取り巻く人々が寄せる信頼感は、悪者に対するそれではありません。計画や打算で人を引き寄せたのではないことが伺えます。読めば読むほど、柏木に対して憎めない印象が強くなります。複雑な人間関係がこの男にどの様な終結を運んでくるのか。結構綺麗な終わり方だったので、一応満足。でも少しやりきれないかも。
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