いかつい己の容姿に対し、ちょっとしたコンプレックスを持つ主人公の昇太。優秀だが無口で取っつきにくいところのある上司の見目とコンビを組んで交通事故の事後処理に当たります。南署のマドンナの存在が気になりつつ、様々な警察関係者に支えられながら前向きに突き進む昇太は自分自身と向き合います。

連作短編集を思わせる出だしですが、純然たる短編集と思います。一応時系列的に進行しますが、一冊を通して大きなドラマが用意されている訳ではありません。寧ろ、個々の短編で昇太の想い、行動をしっかりと表現している印象。やはり首藤氏の文章は読み手を引きつける物があります。続編を期待。