朱川湊人


<ノンシリーズ>
白い部屋で月の歌を (角川ホラー文庫)

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白い部屋で月の歌を
ストーリィ
第十回日本ホラー小説大賞短編賞受賞の表題作を含む、中編2作品。

 「白い部屋で月の歌を」:除霊の憑坐をするジュンは霊魂が抜けた少女に恋をする
 「鉄柱」:非常に結束が強く親切すぎる町には奇妙な鉄柱があった
感想
「白い部屋で月の歌を」はとても悲しく切ない作品。ジュンの心はとても澄んでいて、純粋で、まさしく無垢。しかし、他の登場人物は、皆程度は違えどドロドロしたものを抱えています。真実はとても残酷ですが、収束のさせ方、作品全体を通したジュンの口調が心に残ります。「鉄柱」は日常を上手く表現した作品。何気ない日常。親切な隣人、町内会。しかし、それはちょっと異常なくらい。そしてタイトルの鉄柱が大きな存在感を示します。
お気に入りの一文
そんなことは、わかっています。(「白い部屋で月の歌を」より)
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