高柳芳夫
<ノンシリーズ> |
プラハからの道化たち (講談社文庫) |
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プラハからの道化たち |
ストーリィ
第25回江戸川乱歩賞受賞作。義兄名倉の死に不審を感じた川村は、チェコスロバキアの首都プラハに入ります。時は20世紀中頃、社会主義から政策の転換を図ろうとするチェコスロバキアは、進行したソ連軍に占領された状態です。治安も悪い中、義兄の真実に迫ろうとする名倉の身にも危険が迫りつつあるようです。
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感想
ドイツとチェコを舞台とした作品。歴史的背景がとてもしっかりしているためか、世界がしっかりと構築されています。混沌とした社会の雰囲気も、十二分に伝わって来ます。全体的な纏まりもあり、且つ読みやすい良作と云えるでしょう。社会主義のおかれた状況は、どこか現在の中東不安と重なって見えます。他国の政策への干渉は、ほどほどにして貰いたいものです。
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