谷原秋桜子
<倉西美波シリーズ> |
天使が開けた密室 (創元推理文庫) 龍の館の秘密 (創元推理文庫) |
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天使が開けた密室 |
ストーリィ
コンビニのアルバイト中に、変なお客さんが持っていた人間国宝作の平鉢(?)を割ってしまった女子高生・倉西美波。隣人・修矢の友人を介して紹介された「寝ているだけで5000円入ってくるバイト」に飛びついてしまった。ただより高いものはない。仕事の電話が美波を呼び起こす。
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感想
この作品は、ミステリィ仕立てになっていますが、ライトノベルスとしての色を強く出しています。単に「ミステリィ!」としてとらえると、トリックにも目新しさがなく、そもそも、読者を騙そうとか、意外性を演出しようという気配がありません。寧ろ、読者が簡単に気付くトリックを提供し、ちょっと高見から見物してやろう、そんなスタンスだと思います。主人公や周囲の友人たちのキャラクタ表現が、本作の見所です。
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龍の館の秘密 |
ストーリィ
倉西美波シリーズ第2弾。立っているだけで一日2万円! またしても怪しいアルバイトをすることになった美波。あれよあれよと云う間に舞台は京都へ。そこはトリックアートの世界だった。(「龍の館の秘密」)
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感想
「○○しているだけで×万円!」。この看板こそがこの作品最大の魅力であり、全てです。如何にもうさんくさいこの文句、誰が乗せられるって、主人公自らどっぷり乗せられてしまうのですから楽しいものです。相変わらずミステリィ要素だけに目を向ければ物足りなさも受けますが、作品全体の柔らかい雰囲気こそ、このシリーズの魅力です。
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