戸松敦矩
<名探偵シリーズ> |
名探偵は千秋楽に謎を解く (創元推理文庫) 名探偵は九回裏に謎を解く (創元推理文庫) 名探偵は最終局に謎を解く (創元推理文庫) |
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名探偵は千秋楽に謎を解く |
ストーリィ
舞台は東京下町。たった3人の力士しかいない弱小部屋に打ち込まれた砲弾。長屋では牛乳に混入された砒素騒ぎ。弓矢による狙撃事件。さらに部屋の娘が誘拐される事件まで勃発。興味本位で事件に首を突っ込む高校生3人組と、力士の北ノ波らが謎に挑みます。
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感想
3人の高校生の一人が、後に事件を記録した。そんな形態をとっているためか、若干読みにくさを覚えます。稚拙な表現にしたいのは分かりますが、少々しつこいさが過ぎるかと。それほど「高校生の文章」を意識しなくても良かったのではないでしょうか。事件は不思議な物ばかり。犯人の目的が曖昧で、何がしたいのかさっぱり分かりません。勿論意味があり、それが明らかになるのですが、謎解きと云う感じでもありません。ユーモア小説としては楽しい作品です。
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名探偵は九回裏に謎を解く |
ストーリィ
転校生がやってきた。彼の名は鳴門。ひょうたんの様な、ちょっと冴えない風貌。しかし彼こそは江川の再来と云われる剛速球投手…らしい。折しも、野球部のコーチ・熊田の周囲では不審な事件が発生していた。
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感想
頻発する小さな事件。特徴ある登場人物。そんな中、事件は混迷を極めても、決して解決へ向かっている様には見えない。ところが、いきなり解決してしまいます。とても解決している様には見えなかったのですが、説明されれば「成る程」。事件の背景をしっかりと設定していて、その一面を上手く表現した作品です。まとまりもありますし、一読の価値ありです。
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名探偵は最終局に謎を解く |
ストーリィ
幽霊屋敷で発見された首吊り死体を発見し、警察に通報。ところが警察が来た時には、死体は影も形もなかった。その後も頻発する大安に発生する種々の事件。現場には稲穂が残されていて、同一犯の様相を呈している。探偵は若手の天才プロ棋士です。
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感想
シリーズ3作目ですが、やはり若干の読みにくさがあります。展開は常に主役3人がドタバタした感じ。プロ棋士の言動もその根拠や背景がどうも薄弱です。解決シーンが特に顕著。もう少し論理的に…とも思いますが、細かいことには拘らず、ドタバタを楽しむべき作品なのかも知れません。
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