辻村 深月
<ノンシリーズ> |
冷たい校舎の時は止まる (講談社文庫) |
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冷たい校舎の時は止まる |
ストーリィ
雪の降る寒い朝、普段通りに登校してきた8人の生徒。しかし他に生徒の姿はなし。教師の姿も…。帰る事すら出来ず、時も止まってしまった校舎の中、彼らは自分自身の記憶と向かい合う。
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感想
第31回メフィスト賞受賞作。「早く先を読みたい!」と読者に思わせる力の強い作品。設定自体は特別な物ではなく、ゲームやアニメの世界で使われていそうな気もします。しかし主要人物それぞれの内面を、それぞれの人物の異なる目線で描きあげているところが秀逸です。登場する人物それぞれにスポットを当て「大作」を作り上げるのは良くあるパターン。でもこの作品から、そういう王道的な印象を(良い意味で)受けません。それぞれの人物にドラマがあり、それぞれの心が、思考が、悩みが異なり、リアリティを感じるからです。設定はフィクション、登場人物はリアリティ。感動に包まれる。でも、この作品はしっかりとミステリィでした。
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