米澤穂信
<季節限定シリーズ> |
春期限定いちごタルト事件 (創元推理文庫) 夏期限定トロピカルパフェ事件 (創元推理文庫) |
<ノンシリーズ> |
さよなら妖精 (創元推理文庫) |
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春期限定いちごタルト事件 |
ストーリィ
一般的な小市民を目指す小鳩くんと小山内さん。高校生となった二人の関係は、互恵関係。恋愛関係でも、依存関係でもありません。慎ましい生活を目指す二人ですが、事件の方が彼らを誘う様で、何やかやと巻き込まれていきます。自分自身を抑えようと頑張る二人ですが、物事には限界という物があるようです。
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感想
とっても可愛くて、楽しくて、笑えるお話。思いっきり猫かぶりな感じを受ける小鳩くん。とっても儚げで、とにかく可愛い小山内さん。温かいファンタジー風な印象を受けますが、れ、期とした探偵小説。謎の解明は、とてもしっかりしたものです。これで終わっていれば、ただ「雰囲気の良い探偵小説」なのですが、本領を発揮するのはそれから。どんどん変わっていく印象、展開、スピード。文庫書き下ろしですが、是非ともシリーズ化してほしいです。
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夏期限定トロピカルパフェ事件 |
ストーリィ
一般的な小市民を目指す小鳩くんと小山内さん。互恵関係にある二人ですが、主導権はもっぱら小山内さん。小鳩くんは夏休みの間、<小山内スイーツセレクション・夏>に付き合うことになってしまいました。でも、何だか小山内さんがちょっと普段と違う様な…?
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感想
相変わらず可愛い二人。しかも二人の関係が「ままごとの恋人関係」みたいで、また可愛い。前作に比べて小山内さんは小鳩君に寛容だし、二人の中が進展? と思ったら、そう単純なお話ではありません。小鳩くんと小山内さん、二人の真実を知りたい方は必読です。著者に一言、「必ず秋期限定〜を書いて下さい!」。この結末で完結して納得できる読者はいないでしょう。
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さよなら妖精 |
ストーリィ
日本には馴染みの深い国、ユーゴスラビア。7つの国境、6つの共和国、5つの民族、4つの言語、3つの宗教、2つの文字を持つと云われたその国から日本を訪れた少女・マーヤ。彼女に出会った僕たちは、日本で同じ時を過ごした。もちろん、おれも。遠い異国の地に興味を持ち色々と調べもしたが、マーヤはおれの前から姿を消してしまった。
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感想
ユーゴスラビアで妖精と云ったら、名古屋グランパスエイトで活躍したサッカー選手、ドラガン・ストイコビッチを思い出さずにはいられません。彼の相性こそピクシー、妖精です。NATOによる空爆反対・平和を試合の中で訴えたストイコビッチの姿が、この作品の内容と被って見えました。著者がこの作品を書くきっかけって何だったのでしょう。きっとストイコビッチがいたのではないか、違うかもしれませんが、私はそう思ってしまいます。
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