系列概要 211系5000・6000番台がどのような電車かをご紹介します。
同系列の特徴として、JR東海発足後の電車では唯一の編成組み換えを経験している車両です。

1.0番台との差異
エアコン 0番台では国鉄標準のAU75型(交流440V)を採用しておりましたが、屋根補強・後述の補助電源との兼ね合いでインバーターエアコン(C-AU711、一部C-AU712)を採用しました。
補助電源 0番台では回転型のブラシレスMGを採用、5000番台ではより省保守のSCVを採用、こちらは出力電圧が直流600Vとなっており、先述のエアコンもDC600Vで作動しております。
空気圧縮機 0番台では国鉄標準型の2000Lを採用、こちらは5000番台1次車にも引き続き採用されました。
しかし、作動音が大きい事等から2次車からはC-2000L型を採用しております。なお、1M方式の6000番台のみ容量2000LのC-2000Lでは容量過剰の為、213系と同じC-1000Lを搭載しています。
前面デザイン 0番台では正面窓ガラスが比較的狭かったものの、5000番台からは213系(0番台、JR西日本)と同じ顔を採用。
これにより助士席座席に着席した上で前面展望が可能になり、個人的には秀作な出来だと思います。
シート 0番台ではセミクロスシートを採用しましたが、5000番台からはオールロングになりました。

2.各製造次分での違い
1次
(2023年4月淘汰完了)
2次 3次 4・5次 備考
(6000番台の床下機器は213系5000番台と同一)
製造年 1988年7月 1988年11月〜1989年3月 1989年5月〜同年6月 4次車:1990年2月〜同年3月
5次車:1991年2月〜同年3月
製造メーカー 日本車輌
日立製作所
川崎重工
日本車輌
日立製作所
川崎重工
近畿車輛
川崎重工
日立製作所
近畿車輛
東急車輛
川崎重工
日立製作所
東急車輛
車号(Mc) 5001〜5010 5011〜5048 5601〜5617
4次車:5618〜5620&6001〜6003
5次車:6004〜6009
※5600番台、6000番台は狭小トンネル対応
車号(M) 5001〜5010 5011〜5048 5049〜5065 4次車:5066〜5068
車号(T) 5001〜5004 5005〜5020 製造なし 製造なし
車号(Tc) 5001〜5010 5011〜5048 5301〜5317 4次車:5618〜5620&5049〜5051
5次車:5052〜5057
5300番台は便所設置
運行表示機 同右 同右 表示機あり 表示機廃止
運行表示器なし
1次・2次は3次車と共通で運行表示機あり
(ただし、静岡区の車は全車使用停止)
4次車以降は使用状況を考慮の上廃止

311系では1次車が211系(5000番台)3次車に相当
それ以降は4次車と同じ
213系では1次車が211系(5000番台)2次車に相当、
2次車は211系5000番台4次車に相当
エアコン C-AU711 同左 同左 原則C-AU712 3次車まではスピーカー内臓のC-AU712、非搭載のC-AU711どちらも搭載可能
空気圧縮機 C-2000 C-2000L 同左 同左
(ただし6000番台はC-1000L)
1次車は0番台、117系、115系2000番台(全廃車)と同様のCP搭載
主電動機 C-MT61
(端子電圧375V)
同左 同左 同左
(ただし6000番台はC-MT67、端子電圧750V)
C-MT61に関しては外扇式のMT61との互換性あり
室外スピーカー 車体 同左 同左 クーラー内に装備
側面方向幕   LED
LED式(2色カラー)
幕(細)
方向幕(細型)  
幕
方向幕(大型) 
同左   1次車では省保守のLEDを採用したものの、昼間に見えづらく2次車以降は幕に戻りました。
しかし、LED表示機のスペースは日本語・英語交互表記のためスペースが狭く、3次車以降は0番台と同じ大きさに戻りました。  

313系3次車以降と異なり、走行時に消灯しません。

LEDのため、車内側へのはみ出しが少ないです。
 
字幕の厚みで車内にはみ出しがあります。
パンタグラフ
(登場時)
C-PS16 同左 C-PS16
C-PS24(5600番台)
C-PS24(6000番台も同一) シングルアーム取替え車は313系と同じC-PS27A
現在は全車C-PS27Aに交換終了
便所(Tc車) なし なし あり あり(6000番台はなし)
増圧ブレーキ 未対応 同左 同左 対応 動作条件は全車増圧対応車(編成連結時は全編成)
であることであり、実質作動はしておりません。


3.製造後改良  吊り手増設以後についてはJR東海在来線車両改造履歴からもどうぞ。
転落防止ほろ取り付け 転落防止ほろ 2000年11月ごろより施工開始
乗降ドア滑り止め 2001年4月ごろより施工開始
運転台改良 運転台(拡大画像対応) EB・TE装置取り付け(2001年7月より)

なお、こちらの画像はクリックすることで拡大できます。
乗務員取っ手の
Wハンドル化
Wハンドル 2001年7月ごろより施工開始
車椅子スペース取付け 車椅子スペース(拡大画像対応) 2003年1月ごろより施工開始
(拡大画像対応)
ドアチャイム 音声はこちらから
(音にご注意!)
2004年10月ごろより施工開始
【神領区の一部車両はエキスポシャトル運用投入のため臨時検査で取り付け】
左の枠をクリックするとドアチャイム音をお聞きいただけます。
運転情報記録装置 運転情報記録装置(拡大画像対応) 2006年1月に一部編成でテスト開始(拡大画像対応)
同年3月から本格工事開始

一部の編成は臨時検査時に取り付け
シングルアームパンタ シングルアーム(拡大画像対応) 2006年5月より施工開始(拡大画像対応)

誕生当時より中央線の高さの低いトンネルに対応した5600,6000番台を除いて◆マークの取り付けはありませんでしたが、2018年ごろにより取り付けが始まっています。
これで南木曽以遠の中央西線に乗り入れができるようになりましたが、更にトンネル高さの低い身延線西富士宮以北は乗り入れ不可能です。
ATS-PT PT改造車の運転台(画像は213系のもの) 2006年4月より改造開始(拡大画像対応)
つり手増設 2008年1月より改造開始、2010年までに完了

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