漢のある皇帝は罪人に対する罰を思案していた…
罪人を罰するのは簡単なことだが,それが国民に恐怖を与えるもの
でなければ,罪を犯す者が後を絶たないと考えた皇帝は
側近たちに「人々に恐怖心を植えつける最も効果的な方法」を考えさせた。
側近から提案されたのは…
側近:「罪を一つ犯した者に罰を二つ与えるというのはいかがでしょう」
皇帝:「死刑の場合は罰を一つしか与られないではないか」
側近:「そのときには体を,へその辺りから真っ二つに切るのです。
人間は体を真っ二つにされてもすぐに死にません。
上半身を立たせて生かしたまま,じつくりと首をはねるのです。
これならば罰が二つ与えられます」「胴から真っ二つに切る処刑なら
ば,人々に恐怖心を抱かせることができます。
重罪を犯した者は人々が見ている前で胴から体を切噺されるようになった。
罪が一つであれば体を二つに切断され,二つならば四つに切断されたという。
「倍」という字の右下の「口」は「切り口」を意味する。
つまり「倍」ぽ,「人が立つたまま体を切られる様子}を表している。
|