「数」という会意文字は左側は「米(数が多い)」と「女」から成り,右側は
「ぼくづくり(「ボクッ」と音がするくらい叩いたり殴ったりすること)」から
成り立っている。
古代中国では,男の罪人は首を切り落とされたり,体を裂かれるなど体
を切断する処刑がほとんどであった。しかし,女の罪人に対してはそう
いった刑は適用されなかった。
では,女の罪人に科される罰は軽かったかというと,そうでもなく,場合に
よっては体を切断されるより苦痛だったかもしれない…
その処刑内容とは,「ひたすら叩く」というものだった。
処刑場に村人が集められ,罪人を一発ずつ素手で殴る。参加する村人が少
なければ罪人に命の助かる望みが生まれる。しかし,参加者が数百人とも
なれば,それに耐えることはまず不可能だ。罪人の女には,次から次へと
無数の手が襲いかかる。その横には,女が何発目で死んだかを記録するた
めに,叩かれた数を数え続ける役人の姿があったという…
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