211系5000番台・213系・311系

JR東海の近郊型電車の「90年代の一大勢力」のこれら系列は日本車両でATS-PT工事を実施しています。
画像はこちらからどうぞ。


工事概要(2007年5月〜2011年3月)
PT改造施工所  日本車両
PT準備施工所  名古屋工場
改造概要  1.運転台速度計・圧力計上部にATS-PT警告表記を設置。これに伴いEB警告表示とブレーキ増圧の表記を併せて表示する為にEB装置ランプ撤去
   (213系2次車以降、311系2次車以降はブレーキ表示機の増圧表示の使用停止、
   311系1次車はブレーキ増圧ランプも併せて撤去)

 2.両先頭車両にATS-PT機器箱の設置
   211系5000・5600番台クモハ、311系クモハは海側に設置
   211系6000番台クモハ、213系クモハは山側連結面よりに設置
   全クハは海側に設置

 3.室内にATS-PT方向設定機の追加
  全車両助士席客室よりテーブル上に設置

 4.速度発電機の追加
   全車両、先頭車の中間車より台車の2軸に速度発電機を追加

 5.ATS-PT車上子の追加
   全車両、先頭車のスカート直後に設置

 6.ATS-PT床下配線の整備
   211系5000・5600番台クモハは海側、311系クモハも海側に車体下部側面整備
   211系5600番台クモハ・213系クモハは海側・山側の車体下部側面、双方に整備
   全クハは基本的に床下整備(一部例外有)

 7.運転台ATS-P用のブレーカを設置
準備概要 1.運転台速度計・圧力計上部にATS-PT警告表記を挿入できるスペースの準備
  これに伴いEB警告表記の移動
  (311系1次車はブレーキ増圧ランプの関係からこの工事は実施しない)

2.速度発電機の追加(ただし、配線は行わない)


画像
PT対応 213系H9編成(神領区)【平成19年5月全検出場、のち日本車両でPT改造実施】
K4編成運転台のスペース準備部にATS-PT関連警告表示が入れられております。
また、日本車両での改造車両はEBランプをATS-PT警告表記と同一の箇所に入れられています。
なお、311系に限りPT警告表示最右に増圧ブレーキランプがあります。
→ATS-PT表記拡大画像はこちら
準備済、K4 211系K4編成(神領区)【平成19年5月要検出場】
★このパターンは改造完了により現存しません。
矢印上部に警告灯を入れるべくスペースが確保されております。
これに伴いEBランプ表示灯も移動しました。
未改造、K1編成 K1編成(神領区) 
★このパターンは改造完了により現存しません。
EBランプの位置の相違、速度計上部の長方形のスペースが無いのがお分かりいただけると思います。

PTヒューズ
ATS-PT関連装置(311系G6編成、2007年11月日本車両でPT改造)
211・213・311系ではATS-PT関連の設定装置を置くスペースに乏しく、助士側旅客仕切の前に鎮座しております。

スイッチ
PTスイッチ
ATS-PTでは進行方向の設定が必要なため、レバー式のスイッチが採用されております。
配線は外へ ATS-PTの配線
211・213・311系は配線に余裕が無く、車体すそ部にATS-PTの配線を設置する結果になりました。
上の二つの画像は213系、下のそれは211系
(左、撮影当時PT未改造のH2編成:右、改造済みH9編成:下、改造済み211系K3編成)

クハにも飛び出した配線
PT配線(クハ210-5318)
神領区K3編成の海側中央ドア付近にはATS-PTの配線が出ております。311系では見当たらなかったので、
両系列間での設計の違いに伴うものかもしれません。
213・211系6000番台Tc PT装置(311系、213系、211系5000番台系のクハ)
床下スペースに余裕のあるTc車は系列・番台区分に関わらず装置は連結面台車そば
(海側)にATS-PTが設置されております。
213系のMcはPT装置が山側連結面の端に搭載されています。
211系(3両以上のMc) PT装置(211・311系、3連以上のクモハ211-5000・5600)
3両・4両編成で運転される211系5000番台は連結面ドアそばの海側にATS-PT装置が設置されました。
この画像では分かりにくいですが、211・213系はATS-PTの速度照査のために速度発電機が追加されております。
211系グループで唯一の山側設置 PT装置(213系、211系6000番台のクモハ)
213系や211系6000番台は床下台車間に機器がフルに搭載されています。そのため、3連以上の編成の位置には
PT装置を設置できません。そこで、写真のように連結面にPT装置を設置させました。
その位置は211系グループでは唯一の山側に設置されました。
車上子(ATS-PT用) ATS-PT車上子(211・213・311系共通)
ATS-PTの受電用車上子はスカート後部に設置されました。なお、従来ATS-ST車上子は運転台より台車の連結
面側に設置、画像はこちらからどうぞ。(青色矢印がATS-ST車上子です)

台車改造後
PT対応車両の台車(211・213・311系)
ATS-PT装置用の速度発電機を追加するため、両先頭車の台車には速度発電機が追加されました。
しかし、ATS-PT用の配線を確保できないため、車外に見える形での設置に。

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