トップページ基礎知識へ美術館編へ店舗編へ茶席編へリンク集へ
行事予定へ展覧会記へ月釜情報へ茶会記へ茶会情報へ

■料理屋(料亭)■

 名古屋では、茶風と同じく懐石料理でも、質朴で堅実で品格のある「公道(こうと)」であることを尊ぶ。
 つまり見た目よりも味付け重視、それもきちんと下味のつけられたしっかりとした料理が喜ばれる。
 この点、目を見張るほど手の込んだ外見を呈する昨今主流の懐石料理とは、 明らかに一線を画している。

 さて、名古屋に料亭は数多くあるのだが、 茶会などで頻繁に使われる料亭となると、極めて限られている。
 その限られた料亭が、 「八勝館」「志ら玉」
 点心が付くような大寄せ茶会は、この二軒のどちらかになることがほとんどである。
 また美術館や美術倶楽部が会場となっても、点心はこの二軒のどちらかが担当していることが多い。
 その他、著名な料亭としては「河文」 「か茂免」 「加瀬」 「香楽」 「松風閣」などがあり、 流派の初釜などで利用されている。

 点心〜弁当となると、 料亭に限らず「新(あらた)」 「東雲」 「八百彦」などの料理屋・仕出屋が活躍している。

 

河文

 寛永年間創業、尾張藩御用達という、当地きっての名門料亭である。
 内部には旧家より移築した書院や谷口吉郎設計の広間等が配されており、大寄せの茶会などにも利用されている。
 高橋箒庵の『大正茶道記』などに「河文の包丁」の文字が見えるように、 戦前の名古屋の数寄者の茶事には、ここ河文が大いに活躍した。

中区丸の内2−12−9 рO52−231−1381  <地図>
河文公式HP

志ら玉

 名古屋を代表する茶懐石の料亭。
 茶道をもって知られ、またそのことで御当地の茶道界をリードしているという点において、 かつての京都の炭屋のような位置にあるといえるかも知れない。
 時節になれば釜がかかり、また古筆鑑賞会や茶事勉強会が頻繁に催されている
 主人・其蜩笑庵氏は数寄者として有名で、名古屋で氏を知らぬ茶人はいない。
 建築・調度・庭・料理・器のどれもが茶味と雅味に溢れ、 名古屋で最も茶に適った料亭といって過言ではない。

北区上飯田西町2−36 рO52−981−6868 <地図>
志ら玉公式HP

八勝館

 名古屋で最も有名な、名古屋を代表する料亭である。
 明治初期に材木商の別邸として建てられた屋敷を使って、大正14年に創業。
 北大路魯山人が贔屓であったということで、「魯山人のデパート」 といえるほどの膨大なコレクションが残されている。
 また、建築の素晴らしさも特筆される。
 中でも「みゆきの間」は、昭和25年に天皇・皇后両陛下の宿泊の為に、 数奇屋建築の大家・堀口捨己博士の設計により建てられたもので、堀口博士の代表作として 、戦後の数奇屋建築の金字塔として、高く評価されている。
 名古屋で「〜記念茶会」というような大規模な茶会があると、 会場はたいてい、ここ八勝館である。
 
  昭和区広路町字石坂29 рO52−831−1585<地図>
八勝館・ぐるなび内HP

トップページ基礎知識へ美術館編へ店舗編へ茶席編へリンク集へ
行事予定へ展覧会記へ月釜情報へ茶会記へ茶会情報へ