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行基寺三門。文政三年の建立で、鄙の山寺とは思えぬ堂々たる威容を誇る。
門扉には高須松平家の定紋「菊葵」が大きく彫刻されており、高須家の菩提寺であることが一目瞭然である。
この菊葵紋は寺院内部のあらゆる所に施されている。
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庫裏から月見の間を見る。寺の建物内部に寺院臭は皆無で、城内の御殿にいるとしか思えない。
ここから庭園越しに濃尾平野が一望され、絶景である。
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月見の間からの眺め。
寺自体が急な斜面に建てられている為、眼下遮るものが一切ない。
濃尾平野全域がまさしく端から端まで一望のもとであり、尾張の国主にでもなったかのような気分である。
本当に、これほど遠望にすぐれた寺を見たことがない。
是非、空気の澄んだ、晴れ渡った日に訪れたい。
「月見の間」とあるが、ここで月見とは想像しただけでも鳥肌が立つ。それは見事なものだろう。
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「月見の間」のある庫裏の外観。庭園は宝永二年の高須家初代・松平義行による全伽藍改築の際に造営されたものという。
借景の見事さから、さながら空中庭園のようである。裏手には苔に覆われた枯山水庭園がある。
どちらも将軍家連枝の菩提寺に相応しい作事で、手入れも行き届き、借景などなくとも充分に見応えのあるものである。
この他、大書院や小書院(御座の間)などがあり、同じく宝永の大改築の際の造営という。ただし建物自体は老朽化が甚だしく、
一刻も早い修復が望まれる。
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月見の間から見る小書院(御座の間)
小書院は部屋自体が一段高くなった御座の間である。
月見の間や大書院には炉も切られている。その気になればここで絶景を愛でながらの茶会も出来るのだろう。
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