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■臥龍山 行基寺■
行基寺月見の間からの遠望
 行基寺は岐阜県海津郡南濃町の山中にあり、聖武天皇勅願・行基菩薩開基と伝える古寺である。 無論、同様に行基の開基と伝える寺は全国に千数百ヶ所、ここ南濃にも多く存しており、珍しくもないだが、 その中でこの寺が特に「行基寺」と呼ばれるのは、行基がここで入寂したと伝えるられるからである。境内には 入寂を示す塚に板碑が建てられている。(但し通説では奈良・菅原寺で入寂とされ、生駒市竹林寺に墓がある)
 更に江戸初期には、高須松平家の菩提寺と定められると同時に全伽藍が改築され、現在見られるような 城郭風寺院となった。寺の立地・外観から内部に至るまでまさに城、陣屋しか持たなかった高須松平家の為の 山城である。
 上記写真のように、寺の書院からは濃尾平野全域が一望され、絶景である。現在でも名駅のタワーズは もちろんのこと、伊勢湾から日本アルプスまで見渡せるが、いにしえは名古屋城の金の鯱までも確認できたことだろう。

行基寺山門  行基寺三門。文政三年の建立で、鄙の山寺とは思えぬ堂々たる威容を誇る。 門扉には高須松平家の定紋「菊葵」が大きく彫刻されており、高須家の菩提寺であることが一目瞭然である。 この菊葵紋は寺院内部のあらゆる所に施されている。
行基寺月見の間  庫裏から月見の間を見る。寺の建物内部に寺院臭は皆無で、城内の御殿にいるとしか思えない。 ここから庭園越しに濃尾平野が一望され、絶景である。
行基寺庫裏(月見の間)からの遠望  月見の間からの眺め。  寺自体が急な斜面に建てられている為、眼下遮るものが一切ない。 濃尾平野全域がまさしく端から端まで一望のもとであり、尾張の国主にでもなったかのような気分である。 本当に、これほど遠望にすぐれた寺を見たことがない。 是非、空気の澄んだ、晴れ渡った日に訪れたい。
 「月見の間」とあるが、ここで月見とは想像しただけでも鳥肌が立つ。それは見事なものだろう。
行基寺庫裏(月見の間)  「月見の間」のある庫裏の外観。庭園は宝永二年の高須家初代・松平義行による全伽藍改築の際に造営されたものという。 借景の見事さから、さながら空中庭園のようである。裏手には苔に覆われた枯山水庭園がある。 どちらも将軍家連枝の菩提寺に相応しい作事で、手入れも行き届き、借景などなくとも充分に見応えのあるものである。
 この他、大書院や小書院(御座の間)などがあり、同じく宝永の大改築の際の造営という。ただし建物自体は老朽化が甚だしく、 一刻も早い修復が望まれる。
行基寺 月見の間からみる小書院(御座の間)  月見の間から見る小書院(御座の間)
 小書院は部屋自体が一段高くなった御座の間である。

 月見の間や大書院には炉も切られている。その気になればここで絶景を愛でながらの茶会も出来るのだろう。

臥龍山 行基寺
岐阜県海津郡南濃町上野河戸1024-1
 地図
0584-55-0031

【行基寺庭園拝観】
■拝観時間 9:00〜16:30(年末年始不可)
■拝観料    400円(呈茶400円)
※団体での拝観は要事前連絡のこと

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