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犬山国際観光センター(フロイデ)の外観。
黒川紀章の設計で、スマートな外観は犬山駅裏の住宅地の中でとてもよく目立つ。
内部には観光情報プラザの他、大会議室やフィットネス、温水プールまである。
茶室があるのは会議室と同じ三階。
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如庵写し茶室の外観<左>と茶室ゾーン入口の露地風飾り<右>
茶室は内部・外部ともに如庵写であるが、屋根は柿葺ではなく銅葺である。
ビル内であるからいつまでもピカピカのままなのは止むを得ない。
茶室ゾーンのエントランスには蹲・燈篭が配されて、一応露地風の装飾がなされている。
壁が火灯形にくり抜かれているのは、言うまでもなく如庵の意匠を取り入れてのことだろう。
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↓如庵写し内部
二畳半台目、床脇に鱗板を入れ、床框は黒漆塗、風炉先の袖壁として火灯形にくり抜いた一枚板を用いるなど、
典型的な如庵写しである。
ただ、腰張が暦の反古紙でないのは仕方ないにせよ、風炉先の板壁を挟んで設けられて
いるはずの「有楽窓」の位置が違っている点はいただけない。その下にあるはずの洞庫もない。(写真左下)
どうせ犬山に造るのであれば極力忠実な写しを造るべきだったと思うのだが、何か事情があったのだろうか。
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右下の写真の、この極太丸太は一体どうしたことか。
写真だと分かりづらいが、かなりの太さ、それも皮付である。
勿論こんなものは如庵にはない。
唐突といえばあまりに唐突で、
野趣を狙った意図的なものなのか、それともこれも何か止むを得ない事情があってのことなのか、
判断に苦しむ。
このように如庵の写しとしては決定的な相違点が多々あるだが、しかし
そもそも築400年の如庵と古色とは無縁なこの茶室とでは、その雰囲気は全く異なる。
では逆に、この茶室から如庵の創建当時の佇まいが偲べるかというと、それもなかなか難しい。
上記の通り相違点が多々ある上に、何より如庵の意匠は「光のマジック」とまで讃えられるのに、
この茶室には外光が全く入らないのである。如庵を偲ぶには致命的な欠点といってよい。
もっともこの茶室は如庵の内部体験を目的とした施設ではないのだから、特に如庵と寸分違わぬことが
求められているわけではない。下記のように広々として水屋も備えており、ビル内の貸し茶席としては秀逸である。
なお、炉には電熱器が設置されており、炭は使用できない。
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↑水屋と廊下
如庵写し茶室に付属する水屋と廊下。広々とした水屋には道具が一通り揃っている。
右写真、左手前が水屋、階段上って右奥が茶室である。
↓和室
シティホテルの和室のようなモダンなデザインの和室。
25畳あり、茶室よりもこちらの方がはるかに利用頻度が高いようである。
上記の茶室水屋と接続しているが、炉が切られているわけでもなく、
茶会で使うのは難しいかも知れない。(※机も部屋外には撤去不可らしい)
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←和室に接続していないものの、このような給湯室もある。参考までに。
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